損害保険豆知識Vol.011『新しく保険法が施行されます|2010年4月1日』

■損害保険豆知識Vol.011『新しく保険法が施行されます|2010年4月1日』
第169回通常国会において、「商法」第2編商行為第10章・第3編海商第6章の「保険」に関する規律から独立させた「保険法」(平成20年法律第56号)が成立し、保険契約者保護の観点等にのっとり、大幅な改正となって2010年4月1日より施行されます。


様々なポイントで大幅な改正となるのですが、その中でも
・火災保険の建物構造等級が簡素かされ、非耐火構造の建物においては保険料が大幅に上がる可能性があったり
・自動車保険については、告知や変更通知等に複雑な変更があったり
この年末から来春に掛けて新規契約や更改契約をご予定の方は、ご留意されることをお勧めいたします。


■改正の背景と基本方針
(1)見直しの背景
保険法に関する法律は、約100年間実質的な改正が行われておらず、表記も片仮名・文語体のままだった。
民事ルールを定める法律の整備の流れがありました(民法の現代語化、会社法の制定等)。
(2)見直しの基本方針
保険契約の関係者間のルールを現代社会に合った適切なものとする。
民事ルールを定める法律として、分かりやすい表現により現代語化を行う。


■改正の主なポイント
(1) 保険契約に関するルールの共通化
・これまでの商法は基本的に共済への適用はありませんでしたが、新しい保険法は保険契約と同等の内容を有する共済にも適用されることとなります。これにより、法律上の基本的な契約ルールが同じになります。
・これまでの商法では規定がなかった傷害疾病保険契約について、新しい保険法では規定が新設され、契約の要件・効果等が明確化されます。
(2) 保険契約者(消費者)保護の実現
・片面的強行規定の規律が設けられ、保険法の規定よりも保険契約者、被保険者または保険金受取人に不利な内容の約款を定めても、その約款の定めは無効となります(ただし、企業分野の保険は、適用が除外されています)。
・自発的申告義務(現行)から質問応答義務へ変更され、保険契約者は、重要事項のうち保険会社から告知を求められた事項のみ告知すればよいこととなります。
・保険募集人による告知の妨害や不告知の教唆があった場合は、保険会社は解除できないとする規定が新設されました。
・他人を被保険者とする傷害疾病保険契約については、被保険者の同意を取り付けることが原則とされていますが、
1.死亡保険金のみ支払う契約以外の契約であり、かつ、
2.被保険者又はその相続人が保険金受取人に指定される場合には同意は不要とされています。
(3) 保険機能の拡充
・超過保険は、超過部分「無効」(現行)から「取り消し可能」へ変更されます。
・同一の目的物に複数の損害保険が締結された重複保険契約については、独立責任額全額支払方式が導入されます。これにより、他の損害保険契約が締結されている場合には、各保険会社は按分支払いをせず、自らが締結した保険契約に基づく保険金の全額を支払う義務を負うこととなります。ただし、損害額を超えて複数の損害保険会社から保険金を受け取ることはできません。
・被保険者が倒産した場合であっても、被害者が保険金から優先的に被害の回復ができるように責任保険契約について特別の先取特権の制度が導入されます。
・保険金詐欺等のモラルリスクを防止するための重大事由解除の規定が新設されました。これにより、故意、詐欺、保険会社の保険契約者または被保険者に対する信頼を損ない、契約の存続を困難とする重大な事由がある場合には、保険会社は契約を解除できることとなりました。


■経過措置
◎経過措置(保険法附則第2条~第6条)
原則は施行日以後に締結された契約に適用されますが、一部規定は旧契約にも適用されます。
<旧契約に適用>
・保険価額や危険の著しい減少に伴う保険契約者による保険料の減額請求(一定の条件があります)
・重大事由解除
・解除の将来効(損害保険契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずるとされています)
<施行日以後の旧契約における保険事故に適用>
・保険給付の履行期
・責任保険契約についての先取特権等


■関連リンク
社団法人日本損害保険協会

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