FP豆知識Vol.026『出資法と利息制限法』

ここ数日、世間を賑わす報道の中で一際目立っているのが『出資法違反』ではないでしょうか?
ナスダック会長の事件や、円天が流行語にもなりそうな勢いだったL&G社会長波和二容疑者に続いて、「関西一の女相場師」と言われる大阪府泉佐野市の女性トレーダー岩田矩子容疑者の出資法違反事件・・
双方ともに数十億、数百億の出資法違反・詐欺容疑ですが、報道を見る限りこんな資金を集める力があるのならもっと他に注力すれば立派な事業家になれたのではと思わざるを得ません。

そこでよく耳にする『出資法』ですが正式な名称は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」となります。そしてもう一つお金の賃借に関する法律で『利息制限法』があり、双方ともに貸金業者の制限金利を定める目的で作られた法律になります。

利息制限法では元本10万円未満は年率20%、元本10万円以上100万円未満は年率18%、元本100万円以上は年率15%となっておりますが民法上の解釈で定められているので破っても罰則はありません。逆に出資法では年利29.20%を超える利息で金貸し業を営んではならないという法律で、超えた場合は高金利の処罰として5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金となります。

ここまででは上記の事件が何故出資法違反となるのか?に直接繋がらないのですが・・
出資法に規定されているのは金利の上限ではなくその他にも下記のような禁止事項があります。
・不特定多数の者から払い戻すことを約束して金銭を集める事
・業として金銭を預かる事
この場合は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金となっており、今回の資金集めがまさに出資法違反となるのです。

いつの世もこのような多額の詐欺事件が起こりますが、世の中にそんなオイシイ話は早々ございませんので、しっかりと地に足を付けて前に進むのが賢明かと思われます。

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