FP豆知識Vol.043『入院医療費の定額制(包括払い)と出来高制(出来高払い)』

■入院医療費の定額制(包括払い)と出来高制(出来高払い)とは?
厚生労働省から、入院医療費を出来高制から定額制へと移行すると発表されました。

現在主流となっているのが、出来高制(出来高払い)なのですが、この方式は検査や投薬などの医療行為ごとに定められた診療報酬を積み上げて算定しますので、医療行為が増えれば増えるほど診療報酬も増えるとなります。

また、定額制(包括払い)は、入院1日あたりの医療費を病気ごとに定めることで定額となり、この方式では検査や投薬などの医療行為が増えれば増えるほど報酬が減るとなります。

つまり、増え続ける医療費の抑制が目的となるのです。

今回発表された内容では、定額制(包括払い)方式の対象病院を、2009年度中に2008年度の約1.5倍にあたる約1,200件まで増やすとし、さらに一般病棟の約5割を定額制に移行し、更に前年度並みの収入を病院に保証する措置も、2010年度より段階的に廃止する方針です。

その反面、病院の機能により報酬を優遇する仕組みを作り、緊急搬送や放射線治療等の受け入れ態勢や、高度医療技術などを評価基準とする方向となっております。

高齢化が進み、診療報酬が大きな負担となっているのは、介護報酬と並んで社会的な問題ではありますが、思惑通りに『効率的な治療』が浸透し、コスト抑制効果と並走させる事が出来るのかどうかが焦点となりそうです。

そして何より、現在赤字経営が続いている地域の中核総合病院の経営が、より悪化する事がないように願うのみです。
先進国?日本の医療が崩壊するような事だけは、是が非でも避けなければならないと思うのは私だけでしょうか?

いつでもどこでも安全に、出産が出来る、高齢者が十二分な治療を受けれる日本の医療現場復活に、微力ながら貢献したい次第です。

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