不動産豆知識Vol.017『事業用資産の買換えの特例』

■事業用資産の買換えの特例とは

事業用資産とは、売却した土地建物等もしくは船舶(譲渡資産)が事業に使用されていたもので、購入した資産(買換資産)を事業に使うことが要件となります。この事業とは農業、製造業、小売業など様々で更に事業に準ずるもの用途に使われている土地建物等もしくは船舶もこの特例の対象となり、譲渡をした年の1月1日現在の所有期間が5年以下の土地等の譲渡については、原則としてこの制度を受けられませんが、平成10年1月1日から平成20年12月31日までの間にする土地等の譲渡については、譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下の土地等の譲渡であっても、この特例の適用を受けることができる場合があります。

この特例が受けれた場合は譲渡所得の課税割合が20%になります。
つまり買換資産の帳簿価額を圧縮し課税の繰延べが可能となる制度なのです!

■特例を受けるための要件
・譲渡資産と買換資産とが、一定の組合せに当てはまる。
・買換資産が土地の時は、取得する土地の面積が、原則として譲渡した土地の面積の5倍以内であること(5倍を超える部分は特例の対象となりませんが、一定の農地への買換えの場合は10倍以内とされる場合あり)。
・ 昨年⇔当年中か、当年⇔翌年中に買換資産を取得すること(前年中に取得した 資産などを買換資産とするためには、取得した年の翌年3月15日までに「先行取得資産に係る買換えの特例の適用に関する届出書」を 税務署長に提出をしておくことが必要で、売った翌年中に買換資産を取得する予定の場合には、確定申告書を提出する際に 取得する予定の買換資産についての取得予定年月日,取得価額の見積額及び買換資産が買換えの組み合わせのいずれかに該当するかの別 その他の明細を記載した書類(買換(代替)資産の明細書)を添付することが必要)。
・事業用資産を取得した日から1年以内に事業に使用すること。
・この特例を受けようとする資産については、重ねて他の特例(優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の 特例や優良賃貸住宅等の割増償却等)を併用出来ません。
・譲渡資産の譲渡は、収用等、贈与、交換、出資によるものもしくは代物弁済でなく、また買換資産の取得は、贈与又は交換によるものもしくは代物弁済での取得でないこと。

■譲渡所得の計算
譲渡資産の譲渡価額と買換資産の取得価額が同額か、買換資産の取得価額の方が多い場合
譲渡資産の譲渡価格×0.2=収入金額
(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×0.2=必要経費
収入金額-必要経費=課税される譲渡所得の金額
譲渡資産の譲渡価額が買換資産の取得価額より多い場合
譲渡資産の譲渡金額-買換資産の取得価格×0.8=収入金額
(譲渡資産の必要経費+譲渡費用)×(収入金額÷譲渡資産の譲渡金額)=必要経費
収入金額-必要経費=課税される譲渡所得の金額

■国税庁
タックスアンサー>譲渡所得>事業用の資産を買い換えたとき>No.3405
http://www.nta.go.jp/

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