損害保険豆知識Vol.007『取引信用保険』

■取引信用保険とは?
取引信用保険とは、中小企業倒産防止共済制度と同様に保険対象としたお取引様に万が一の債務不履行(倒産、破綻、長期延滞)が起こった場合に予め約定した保険契約条件に従い、保険金をお支払いする損害保険商品なのです!
当然、このご時世ですから、企業内ではお取引先様の与信管理はされているでしょうが、民間企業においてはなかなか万全の策をとるのは至難の業となるのが現実です。

つまり、貸倒発生時における「決算の悪化(赤字転落)」や「連鎖倒産」のリスクをカバーするには、取引信用保険が選択肢の一つになるのです。

それではなるべくわかり易く内容を記載したいところですが、保険商品という性質柄、全ての要件をここに網羅する事が出来ませんので悪しからずご了承下さいませ。
 まず一番に気になるのが支払保険料ですが、基本保険料率は信用区分ごとに設定され、また引受業種、ポートフォリオ、保険成績に応じた割増引率が適用されます。保険料を支払限度額に対する基本保険料率をパーセントにするとおよそ2~2.5%となります。つまり支払限度額を20,000,000円とした場合
2%なら400,000円/年
2.5%なら500,000円/年
となります。また最低保険料は300,000円/年となります。年間保険料が1,000,000円を超える場合は分割払が可能となるのです。
 また支払保険金は、正味損害額に縮小率(90%)を乗じたものと、個々のお取引先様(債務者)に設定した支払限度額のいずれか小さい方となりますが、年に数回の事故が起こった場合には保険期間中総支払限度額を超えないのが条件となります。
 目まぐるしく移り変わる経済情勢の中で、保険期間中に取引先の追加、支払保険金額の増額、お取引先様(債務者)の削除等、契約内容の変更は可能となりますが、支払限度額の減額は出来ません。

お取引先様の債務不履行を100%全額補償する訳ではございませんが、取引信用保険は特にお取引先様が非常に多い業種や、新規お取引先様の多い業種には中小企業倒産防止共済制度と同様にご考慮いただける商品といえるのではないでしょうか?

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