不動産豆知識Vol.016『精神的瑕疵物件(心理的瑕疵)の告知義務』

■精神的瑕疵有物件(心理的瑕疵有物件)とは?

不動産取引での精神的瑕疵物件(心理的瑕疵物件)つまり土地建物での事件物件を意味し、下記ののようなものがあります。
・自殺、殺人等の事件沙汰
・火災、水災等
・近隣の指定暴力団事務所等
・神社、社、お墓、地蔵等の宗教系跡地
・井戸
・その他嫌悪施設(ゴミ焼却場、葬儀場、宗教団体等)

瑕疵担保責任については民法570条と宅地建物取引業法40条(宅建業法41条)で制定されていますが、精神的瑕疵物件(心理的瑕疵物件)は具体性に乏しい場合が多く、受ける側の価値観・宗教観等により非常に大きく変動する内容となります。
しかしながら宅地建物取引業者には告知義務があり、一般的には物件評価に大きな影響をもたらす場合が多いのが実情となります。

つまり・・
物件で自殺があれば売値が下がる
ということになります。

また自殺・殺人等に関してはおおよそ10年を目途に告知の義務と慣例ではなっておりますが、非常に曖昧なところです。
そして、もう一つこれは実際に私が体験した事例なのですが、物件の調査をしており警察にて行ったところ

『指定暴力団になっているかどうかは答えられない』

と言われました。
推測で近隣に暴力団事務所有りと重要事項説明書に記載するのもどうかと思い、かなり問答をしたのですが最後まで明言はされずだったので鮮明に記憶しております。

また、井戸についても存在がある・あったのを記載するのは容易なのですが、埋め戻した場合に空気抜き(ガス抜き)のパイプを入れたのか、埋め戻しに使ったのが砂なのか?土なのか?砂利なのか?実は調査し難い内容の方が、購入し新しく建物を建築した将来に渡り重要であったり・・

スピリチュアルや神憑り的な内容も多い事項ですので、なんとも曖昧な事項ですが賠償責任を負う可能性のある宅建業者としては、果たしてどこに境界を見い出し説明をすべきかについては答えが見つからないのかも知れません。
少なからず、現状では親切過ぎるほどに記載するのが、消費者保護の立場を考えるとより良いことになるはずです。

×